2017年 北嶺中学校 理科(3)

今回は,大問3を取り上げます。


大問3は,化学・生物・地学の3分野からの出題でした。

(1)・(2)の地球や生物の誕生についての問題は,

文中にヒントや誘導が全くないので,大変難しい問題でした。

(3)は化石の年代についての計算問題,

(4)は気体の性質,(5)は地球の環境についての知識問題でした。


なお、問題は標準札幌校ホームページ北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。




大問3


(1)


面白さ☆☆☆☆ 難度C


私たちの住む星,地球ができたのは,今から約46億年前のことだとされています。

まず,原始太陽と数多くの小惑星が形成されました。

それらの小惑星がしょう突と合体をくり返す中で,

小さいものは大きいものに吸収されていき,地球やその他の惑星に成長していきました。


このころの地球では,微小惑星のしょう突エネルギーや,水蒸気の大気による保温効果によって,

地表面の温度は1500℃以上ありました。

地表には,鉱物がとけたマグマの海ができ,

水蒸気,二酸化炭素,ちっ素からなる大気でおおわれて,

まだ液体の水はありませんでした。


地球が現在の大きさ近くになると,

微小惑星のしょう突がおさまり,地球全体の温度が低下し始めました。

すると,大気中の水蒸気が冷やされて雨となり,地表に降り注ぐようになりました。

雨は地表を急激に冷やし,地表を固めていきました。

地表が冷えると大気が冷えて,

今まで大気中にたまっていた大量の水蒸気が一気に雨として地表に降り注ぎ,

現在の海のもととなる原始の海が生まれました。


原始の海には,雨にとけた塩化水素や亜硫酸ガスなども流れこんだので,

はじめは酸性で,とても生物の住める環境ではなかったようです。

酸性の海水にはその後,地表のナトリウム,カルシウム,マグネシウム,

鉄,アルミニウムなどの鉱物がとけこんで,現在のような海水になっていきました。


こうして,地球誕生から約1億年くらいまでに,地球上のほとんどの元素をふくんだ,

後に生命を生み出す海の原型ができ上がりました。


生命を構成する成分がどこで作られたかについては,いくつかの説があります。

現在,最も有力とされているのは,海底火山の熱水ふん出口付近の高温・高圧の環境です。

このような場所で,メタン・アンモニア・二酸化炭素などの

無機物にエネルギーが加えられることによって,

生命を構成する基本的な物質である,

アミノ酸や炭水化物などの有機物が作り出されたとする説です。


最初は,こうしてできた有機物が化学的にくっついたり離れたりしているだけでしたが,

しだいに自己の形を持ち,増殖することができるようになって,初めての生物になりました。

最初の生物の誕生は約40億年前,地球誕生から約6億年後と考えられています。


答え a-イ,b-ア


(2)


面白さ☆☆☆☆ 難度C


(1)の解説にもある通り,

高温・高圧の環境下で無機物にエネルギーが加えられることによって,

生命を構成する基本的な物質である,アミノ酸や炭水化物などの有機物が

作り出されたとする説は,かなり昔から有力でした。


約20年前に発見された,海底火山の熱水ふん出口は,

まさにその条件にぴったりの場所でした。

そこでは,メタン・アンモニア・二酸化炭素など,

大量の火山ガス成分と熱エネルギーが連続的に供給されるため,

アミノ酸や炭水化物などの有機物が作り出されるのには,絶好の環境でした。


「最初の地球生命は,海底火山の熱水ふん出口で生まれた」という説は,

いまでは高校生物の教科書や参考書でも紹介されて,定説となっています。


答え ウ


(3)


面白さ☆☆ 難度A


1/64 = (1/2)×(1/2)×(1/2)×(1/2)×(1/2)×(1/2) より,

34500年間の間に,不安定な炭素が半分の数に減る「ある一定の期間」が,

6回くり返されたことがわかります。


「ある一定の期間」は,34500÷6=5750(年)です。


答え 5750年


(4)


面白さ☆☆ 難度A


cは,文中の「海水に吸収され,石灰岩に変化したり」という記述と,

「現在の大気の主な四つの成分の中で,最も少なくなっています」という記述から,

二酸化炭素であることがわかります。

二酸化炭素には温室効果があり,

固体にしたドライアイスは冷却剤として利用されています。


dは,文中の「光合成を行う生物の出現により急激に増加しました」という記述から,

酸素であることがわかります。

酸素は,鉄と反応して酸化鉄となるなど,さまざまな金属と反応するため,

地球の表面をおおう岩石の成分としても多く含まれています。


eは,文中の「安定で他の物質と反応しにくく,水にとけにくい」という記述と,

「現在の大気の主な四つの成分の中で,最も多くなっています」という記述から,

ちっ素であることがわかります。

ちっ素は,リン・カリウムとともに植物の肥料の3大成分の1つです。

また,ちっ素を液体にした液体窒素は,冷却剤として利用されています。


fは,少し難しいですが,文中の「この気体も安定で他の物質と反応しにくく」という記述と,

現在の大気の主な四つの成分のうち,

すでにc~eで,残りの3つ(二酸化炭素・酸素・ちっ素)の気体が登場していることから,

アルゴンとわかります。

現在の大気の主な四つの成分は,量の多い順に,ちっ素→酸素→アルゴン→二酸化炭素となっています。

アルゴンは,安定していて他の物質と反応しにくいという理由から,蛍光灯や電球の中に封入されています。


ちなみに,正解になったもの以外の

「気体の名称」と「気体の説明」の組み合わせは,次のようになっています。

(名称)ア-(説明)サ,

(名称)オ-(説明)セ,

(名称)キ-(説明)ソ,

(名称)ク-(説明)ケ


答え (気体の名称・説明の順に,)c-エ・コ,d-イ・ス,e-ウ・シ,f-カ・タ


(5)


面白さ☆☆ 難度A


大陸プレートの移動や,オーロラの発生のしくみを知らなくても,

ともに人間の活動が原因でないことは想像がつくはずです。

また,地球環境問題の学習で,残りの選択肢はすべて人間の活動が原因だと知っている人は,

消去法でも正解がわかります。


地球上には表面をおおう厚さ約100㎞のプレートがあり,

私たちはそのプレートの上で生活をしています。

2014年に,オーストラリアのシドニー大学の地質学者が,

地球のプレートが地下のマントルの対流によって動いていることを解明しました。


オーロラは,北極や南極などで,太陽からの「太陽光」がもとになって起こる現象です。

太陽風というのは,太陽の表面でときどき起こる大きな爆発のとき,

太陽から飛び出してくる電子や陽子が,まるで風のように地球に押しよせてくることをいいます。

地球は北極をS極,南極をN極とする大きな磁石であるため,

太陽から飛んできた電子や陽子は,北極と南極をめがけて地球に飛びこんできます。

このとき,上空で大気中の酸素やちっ素などの原子を刺激して,光を出します。

 

答え オとク

Comments are closed.