2013年 立命館慶祥中学校 算数(3)

今回は、立命館慶祥中学校の入試問題解説に入る前に、前回このコーナーで取り上げた

「ある整数で割ることのできる回数の合計」

という考え方について、実際の入試問題を解きながら、もう少し深くほり下げてみましょう。


まずは、京都大学への抜群の進学率で知られる

西日本の名門・西大和学園中学校の入試問題です。

2012年に標準札幌校主催でおこなわれた「教育講演会」では、

北嶺中高等学校の谷地田穣教頭先生(現校長)とともに、

西大和学園の岡田清弘教頭先生をお招きして、

学園の教育内容についてお話していただきました。


2013年度入試では札幌会場が新設され、

本校会場とあわせて標準札幌校からは2名が受験(2名とも合格)しています。




niyamato2013-1-3

 


難度A 面白さ☆☆


前回の立命館慶祥大問Ⅳ‐〔3〕の中で、数字まで全く同じ計算を紹介しています。


1から100までの整数をかけ合わせた数の「3で割ることのできる回数の合計」は、


100÷3=33

100÷9=11

100÷27=3

100÷81=1 → 33+11+3+1=48(回)となります。


答え 48(回)


計算問題が2問続いたあとの最初の小問として出題されていることからも、

西大和学園志望者にとっては、ごく基本レベルの解法であることがうかがえます。

「難度A」としていますが、道内入試の基準では「難度B」に相当します。




続いて、標準札幌校男子会員の多くが第一志望としている北嶺中学校の入試問題です。


特に②については、2013年度入試の「フィボナッチ・トリボナッチ」と同様、

日頃の訓練で解法を習得していた受験生にとっては大変有利な出題でした。


 hokurei2009-2-3


難度①A ②B 面白さ☆☆☆


 


実際にかけ算をしてみると、


1×2×3×4×5×6×7×8×9×10=3628800


となり、おわりに0が2個続きます。


答え 2(個)


「おわりに0が何個続くか」と問われると、どうしても「10の倍数」に目が向きがちですが、

上の計算の過程では、1×2×3×4×5=120 となり、

5までかけた時点で0が1個現われることがわかります。


10を素因数分解すると、10=2×5 となるため、

「2の倍数」と「5の倍数」が1個ずつかけ合わさって0が1個あらわれるわけです。


かけ合わせる整数の個数が多くなるほど、

「2の倍数」の個数が、「5の倍数」の個数よりも多くなっていくので、

1から10までの整数をかけ合わせた数の「5で割ることのできる回数の合計」を

求めればよいことがわかります。


解法パターンどおりに解けば、上の問題は


10÷5=2(個) となります。




1から100までの整数をかけ合わせた数の「5で割ることのできる回数の合計」を求めます。


要領は、「3で割ることのできる回数」の場合とまったく同じです。


100÷5=20

100÷25=4 → 20+4=24(個)となります。


答え 24(個)




2013年 立命館慶祥中学校 算数⑶


それでは、立命館慶祥中学校の入試問題解説です。

今回は、大問Ⅴを取り上げます。

 

仕事算とグラフを融合させた出題は、中学入試では典型的な応用問題といえます。

本問では水そうの容積の条件が具体的な数字であたえられていないことが、

難度を倍化させました。

正解に到達するには、グラフを読み取る力、正確な計算力に加えて、

相当の注意力が要求されます。


特に〔3〕は、水量の変化を注意深く確認する慎重さが要求される問題でした。

安易に答えを導こうとすると“ワナ”にはまって、必ず間違えてしまいます。

本年度の入試では最も正答率の低かった問題です。


2013立命館 算数③-2

 

〔1〕

難度A 面白さ☆☆☆


まず,計算しやすいように水そうの容積を72Lとしましょう。


ritk2013-5-1


このとき,各バルブ1本あたりから1分間に出る水の量は,次のようになります。


バルブA…72÷72=1(L)

バルブB…72÷36=2(L)

バルブC・D・E…72÷48÷3=0.5(L)


バルブBで、イ‐下段,ウ‐中段・下段の3つの部分を満水にするので、

かかる時間は、


8×3÷2=12(分)です。


答え 12分




 

〔2〕


難度B 面白さ☆☆☆


(1)

バルブAで、ア‐下段を、バルブBで、ウ‐中段・下段を満水にするのにかかる時間は、ともに、


8÷1=8×2÷2=8(分)です。


8分以降は、バルブAとBから注いだ水は、すべてイ‐下段に流れこむので、あと


8÷(1+2)=2と2/3(分)


で、イ‐下段が満水になります。


よって求める時間は、


8+2と2/3(分)=10と2/3(分)とわかります。


答え 10と2/3分


(2)


バルブAとBの2本で、ア、イ、ウすべての下段・中段を満水にするのにかかる時間を求めます。


8×6÷(1+2)=16(分)とわかります。


答え 16分


(3)

バルブAとBの2本で、水そうを満水にするのにかかる時間を求めます。

72÷(1+2)=24(分)とわかります。


答え 24分




〔3〕


難度C 面白さ☆☆☆


安易に考えると、72÷(1+2-0.5×3)=48(分)となります。


しかし,これでは立命館慶祥中学校の算数入試の最後をかざる問題としては、

少し面白みに欠けますね。

何か“ワナ”がありそうです。

もう少し、じっくり考えてみましょう。


ポイントは

「最初のうちは、イ‐下段には水が入らないので、バルブDからは水が出ない」

ということです。

ここに気がつくことができれば、正解に大きく近づきます。


ここからは、あせらず正確に計算を進めましょう。


バルブAとバルブCを開いた状態で、ア‐下段を満水にするのにかかる時間は、


8÷(1-0.5)=16(分)です。


また、バルブBとバルブEを開いた状態で、ウ‐下段・中段を満水にするのにかかる時間は、


8×2÷(2-0.5)=10と2/3(分)です。


ウ‐下段・中段のほうが早く満水になるので、

10と2/3分以降、バルブBから注いだ水がイの部分に流れこみ、バルブDからも水が出ます。


10と2/3分までにたまった水の量は、


(1+2-0.5×2)×10と2/3=21と1/3(L)です。


これ以降は、5本のバルブすべてから水が出るので、

水そうが満水になるまでの時間は、あと、


(72-21と1/3)÷(1+2-0.5×3)=33と7/9(分)です。


水を入れ始めてから満水になるまでの時間は、


10と2/3+33と7/9=44と4/9(分) とわかります。


答え 44と4/9分




次回は、2013年 灘中学校 1日目「解法の面白い問題」を

掲載します。

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